goru-goru綴り

日頃のもやもやを書き綴ります

心酔するって恐ろしい

さて、大規模な人事異動から数ヶ月が経った。

 

数ヶ月も経てば若手くんもすっかり仕事に慣れた頃・・・

かと思いきや、そんな事は全くなかった。

 

まず、現在の支社のやり方に全く馴染もうとせず、相変わらず以前いた支社でのやり方に拘っていて、こちらに合わせようとしない。

とにかく頑固である。

 

そういう所がロボットも気に食わないのか、どうも若手くんに対する態度がイジワル風味なのは気のせいなのか。

以前の一触即発事件から少しは緩和されたとはいえ、まだ薄っすらとイヤな空気は漂っている。

 

まぁどことなくエリート風を吹かせている若手くんがちょっと鼻につく事は確かだが、そう思うならロボットからちゃんと指導すれば良いのにと思う。

だが、なぜかそれはしない。

 

若手くんに対して指導をせずに、こちらにばかり仕事を振ってくるのは相変わらずである。

 

というわけで、実は高機能がいた頃よりも断然私の仕事量は増えてしまったのだ。

 

まず、雑用と言われる類の事はまったくやらない。

以前の大きな支社では清掃業者が入っていたらしく、周囲の掃除やゴミ集めなどはまったくやろうとしない。

 

普通なら下っ端が雑用を買って出るものではないのかと思うが、最初にやらなくても良い支社に配属されてぬくぬくと育ってきた為か、そもそも所謂ゆとり世代とはそんなものなのか、雑用を買って出る意識は皆無である。

 

これは職場のおじさんも言っていた。

「最初に配属された支社によって、そいつの考え方やら姿勢なんかが決まるから
なぁ」

もう、若手くんがいた支社は新入社員にとってはハズレだったとしか言いようがない。

 

電話が鳴っても出ようとしない。

何度か鳴っていても全く出ない。

以前いた支社では女性社員が多くいたため、その人たちが電話応対をしていたようだ。

 

まず、「オレがやるような仕事じゃない」と、どうやら仕事に貴賤をつけている所がある。

ほんと、最初に教育したのダレ~??

 

そして、若手くんが以前いた支社での上司に当たる人から聞いていた”一通りの事は全部出来て、フットワークも軽くテキパキしている”人は、本当にこの若手くんの事なんだろーか?という疑惑で今はいっぱいなのだ。


最も不思議なのが、その若手くんの以前の支社での上司というのが、数年前まで我が支社に居た人なのであるが、若手くんが、この上司の事を異常に尊敬している。

いや、もう心酔しているくらいなのである。

 

確かに仕事はよく出来る人だったのだが、部下から慕われるタイプかどうかと言えば疑問しか浮かばない。

 

他の人と慣れ合う事がなく、一人で黙々と仕事をするタイプである。

自分だけで仕事を抱え込んで、周りに全く渡そうとしなかった。

要するに、他人をまったく信用していないらしかった。

 

愛想は悪いし、飲み会もほとんど欠席で他の社員や上司からのウケはイマイチだった。

仕事のやり方も無機質で、そんなにサクサク期限を切ったら営業や現場の社員の負担になるのでは?と心配になるくらい情が感じられない仕事の進め方だった。

 

ただ、直属の上司だけは「仕事が良く出来るヤツ」というのでお気に入りだったようだ。

まぁあれだけ周囲の意を汲まずにサックリ進めていれば、仕事が遅れる事もないし、キッチリ締めにも間に合うし、というので高~い位置の人や本社ウケは大変によろしかったのだ。

 

現在の若手くん、前の高機能の位置にその人は居たのだが、私は全く仕事を与えてもらえずに本当に困っていた時期があった。

当時は派遣社員だったので、余計に信用してもらえなかったようだ。

 

というわけで、私のその上司に対する印象はあまりよろしくない。

キッチリした人というのは分かるのだが、協調性はまるで無い。

それでも、当時のさらに上の上司がそれで良しとしていたのだからまぁうまく成り立っていたのだろう。

 

つまり、以前エントリー記事で書いた事があるが、この上司は周りに仕事を振らずに抱え込む典型的な「大係長」なのである。

 

私個人のイメージでは、「大係長=仕事が出来ないヤツ」なのだが、若手くんは一体この人のどこに惹かれたのだろうか?

まぁ若手くんの気持ちはサッパリわからないが、とにかくこの上司のやる事なす事すべて正しいと思い込んでいて、その人がいなくなってからやり方を変えた部分などにはモンクをたれる。

 

「なんで□□さんの時とやり方が変わってるんですか?おかしいですよね」

 

と当の□□さんに電話でチクッたりなんかもして、あとから

 

「□□さんがやってた時のやり方に戻そうと思ってるんで」

 

と、平気で宣言しちゃったり。

 

別に良いと思うけど、それを私に向かって言うのは止めてくれないかなといつも思う。

 

それ、ロボットと相談の上で決める案件なんじゃね?

”常に□□さんが正しい”ではなく、□□さんのやり方を廃止した理由も一応確認するべきなんじゃないのか?

 

「一応ロボットさんとも相談して決めてね」

 

といつも言ってはいるが、若手くんもロボット苦手でそういった話はしていないようだ。

 

もっと驚いたのは、電話でその前の上司と会話しながら、

 

「あ、それ僕の方でやっておきます!」

 

とかなんとか張り切って言っちゃってて、一瞬「は?何を?」と耳を疑った。

 

どうも聞いてると、前の上司がやっている仕事を社内ネットワークを通して「僕が手伝います!」みたいな事をしようとしていたのだ。

 

さすがに、その前上司は断っていたようなのだが、若手くんは引き下がらずに

 

「いえ、大丈夫ッス!僕の方でチェックしてやっときますんで!」

 

とかなんとか答えて、現在の仕事を放置して以前いた支社の仕事を思いっきり手伝ったりなんかしていたのだ。

アンタは一体どこの所属なんですかーー(呆)


あるとき、他の社員がちょっとからかうように

 

「ああ~、□□さんねー。年齢のワリにどっしりしてたよねー」

 

みたいな事を言うと、すかさず若手くんが

 

「そうなんすよ~。ホント貫禄があるっていうか、落ち着いてるっていうか、もうめちゃめちゃカッコイイんすよね~。自分もあんな風になりたいっす」

 

とか言っちゃってるんだよな。

 

その上司は年齢のワリに老けた印象で、小太りなのだ。

話し方もボソボソとしてはっきりしない。

どちらかと言うと負のイメージの人である。

 

おそらく若手くんと話していた社員は、その辺りを暗にほのめかして茶化して言ったと思うのだが、若手くんはそんな事は意に介さず、とにかくその上司がカッコイイんだと主張している。

 

「心酔する」ってこういう状態の事を言うのかなぁと漠然と思ってしまった。

 

心酔すると、公平な目が無くなってしまって冷静に判断が出来ないし、本当に危険しか感じないんだよな。