完全なる後者
久々の前者後者ネタである。
少し前に、ポッドキャストで心屋仁之助氏の放送をまとめて聞いた。
その中に「前者後者」について話している回が何回かあった。
そのうちの一つに、後者の特徴を説明している回があって、それがものすごく腑に落ちたのだ。
この「前者後者」について初めて知ったのはまだ高機能がいた頃だったので、最初は高機能と照らし合わせて捉えていた。
だが、高機能はちょっとビミョーに外れた高機能発達障害という病気なので、前者後者には完全には当てはまらないのではないかと思った。
とにかく、発達障害を抱えている人はもれなく外して考えた方が良いのかもと思い、ADHDであるおばちゃんも除いて考えていた。
ところが、そうでもないと思う事があったのだ。
心屋氏が述べる後者の特徴に
”大体で見積もることができない”
というものがある。
心屋氏はそういう言い方はしていなかったのだが、一言でまとめると要するにそういう言い方になると思う。
心屋氏の体験談を例に挙げると、
以前、キレイに盛り付けられたチョコレートケーキを食べた事があるとする。
しばらく経ってから、別の店でまた別のキレイに盛り付けられたチョコレートケーキを食べた。
その時に、前者の人が
「わー、キレイだね。前に食べたチョコレートケーキもこんな感じだったよね」
などと、後者である連れに言う。
すると連れの後者は
「えー、前に食べたのと全然違う。前に食べたのは上に三角の飾りがあって、周りに赤いソースがかかってて、生クリームがうんぬんかんぬん・・・だから前のとは全然違う!」
と、細かい所を指摘しながら似ていない事を強調するらしい。
・・・・・アホだ。
私は前者後者テストでもはっきりと「完全なる前者」である事がわかっているので、はっきりと言える。
本当にアホな返答である。
そんな細かい部分の話はどうでも良いのだ。
同じチョコレートケーキというくくりで前者は話しているだけなのだ。
前に食べたチョコレートケーキもキレイに盛り付けられていた。
今回のチョコレートケーキもキレイに盛り付けられている。
どちらもチョコレートケーキ、どちらもキレイ。
大体似てるよね。
という事なのだ。
それをいちいち事細かく重箱の隅をつつくように、あの形が違うだのこの色が違うだの、そんな融通の利かない事を言っていたら会話が進まないではないか。
そこを、頑なにこだわるのが後者なのだそうだ。
こんなん、本当に疲れるわー。
と思っていたら、私も実際に体験するハメになってしまった。
「前者後者」に当てはまらないはずと思っていたおばちゃんが、まさにそういう面倒な事を言い出したのだ。
ある日の昼食で、いつもは外に食べに行くかどこかで弁当類を買って食べるかなのだが、その日は家にあったカップラーメンを持って行って食べることにした。
以前は節約と時間がないこともあって、しょっちゅうカップラーメンを昼食時に食べていたのだが、この何年かは近くに安い食堂ができた事もあって、外食が増えた。
久しぶりにカップラーメンにお湯を注いでいたら、給湯室にやって来た男性社員が
「あれ?goru-goruさんがカップラーメンって珍しいですね~」
と話しかけてきた。
「そうだねー、最近は外に行く事が多いから、カップラーメンは珍しいかも」
と返事をしていると、横で会話を聞いていたおばちゃんがすかさず割って入って大声で喚き始めた。
「毎日カップラーメン食べてた!ね!ね!カップラーメンばっかりだったよね!ね!あとうどんとかそばとか!カップラーメン食べてた!珍しくないし!カップラーメンばっかりだった!」
思わず一緒に話していた男性社員と顔を見合わせて目が点になってしまった。
それは一体いつの話なんですかーーー?
その男性社員も、ここ最近の話として話しかけてきているのだ。
で、私も当然ここ最近の話として返答しているわけなのだが、つか、そんな事いちいち深く考えながら話すわけもなく。
だがおばちゃんはそこが納得出来ないらしい。
何年も前の事を持ち出して
「カップラーメンばっかり食べてた!!」
と喚き散らしている。
なんだろーな。
「◯年◯ヶ月前までは毎日カップラーメンを食べていたんだけど、◯年◯月からは外食するようになったので、◯年◯ヶ月間はずっとカップラーメンを食べていなかった。だから、昼食でカップラーメンを食べるのは◯年◯ヶ月ぶりだよ」
とでも答えろっちゅーんかい。
本当にワケがわからん。
そして、この一件でおばちゃんが「後者」である事がはっきりと確定してしまったのだった。
タドッている人でも前者後者があるんだな。
というか、タドッている人=後者なのか。
普段は細かい仕事ができずにミスが多く、「面倒くさいからやってなかった」と平気でほざくクセに、なんでそういうどうでも良い所だけは細かくこだわるの?
まぁ心屋氏が言うには、
「それが後者」
なんだそうで。