goru-goru綴り

日頃のもやもやを書き綴ります

色んなところへ行ってみたいし、やってみたいし、食べてみたい

まぁ、こういう人って居るよね。

全く否定はしないし私の事ではない。

 

私は生来の出不精で、どちらかと言えばあまり進んで出掛けて行く事がない

が、誘われれば行くし、行ったら行ったでちゃんと楽しむ。

自分から進んで行動するという方向にベクトルが向かないだけである。

 

ところが、その方向にやたら活発な人がいる。

おばちゃんである。

おばちゃんは、以前自分でも言っていたのだが、

「色んなところへ行きたい、色んな事をやってみたい、色んな物を食べたい」

人なのだそうだ。

 

特に”行きたい”のと”食べたい”のが合わさって、新しく出来た店には必ずすぐに
食べに行く。

どこどこに出来た店に行ったのなんのと、仕事中にも関わらず大声で他の社員と話している事がしょっちゅうある。

 

また、別の人が「どこどこに美味しいラーメン屋があって~」などと言おうものなら、

 

「え?!どこ?!どこ?!え?!え?!何ていう店?ね!ね!!何ていう店?!」

と、やかましいのなんのって。

迫りすぎて、相手の社員がのけぞっているくらいである。

 

その社員が場所を説明すると、

 

「えーっ?!そんなところにラーメン屋さんなんてあったっけ?!えー?!最近出来たの?!ね!ね!」

 

と大興奮でまた質問責めにしている。

 

「何ヶ月か前に出来たみたいですよ」

と、聞くと、

 

「えーっ!うっそー!!アタシ知らない!え?!なんで?!なんで知ってるの?そのラーメン屋!アタシは知らなかったのに!!ね!ね!」

 

と、さらに興奮度は上がる。

 

つまり、新しく出来たラーメン屋に行きたくてしょうがないのと、自分より先に知っている人がいた事が悔しいのとが混ざってとにかく喧しい。

特に飲食店関連にいちばん情熱を向けているが、それ以外の施設やイベントにも必ず足を運んでいるらしく、とにかく近隣の地理に明るい。

私はどちらかと言えば方向音痴な方なので、色んな道を知っていて瞬時に方向が言えるところにはつくづく感心する。

その点は感心するのだが、いざその周辺に行った事が無い人への説明は聞いていて何とも居たたまれない。

 

「どこどこの道をずーっと真っ直ぐ行くと、○○があるでしょ?!」

「え?そういうのがあるんですか?」

「もう!あるじゃん!◇◇の角の所に!」

「あ、そうなんですかー」

「えーっ!なんでよ、あるじゃん!△△のコンビニの前!!」

「あ、コンビニもその前にあるんですね?」

「えーっ?!もうっ!!あるんだって、○○が!!」

 

………

あのさー…

その人まったくその場所に行った事がない人なんだよね~。

「もう!あるじゃん!!」

って言われたってなぁ、困るしかないんだけど。

 

という説明の仕方なので、本人はよくわかっているらしいのだが、聞いてもサッパリわからない上に、なんでそんなに怒られにゃならんのよ、という悲しい気持ちになるわけだ。

まぁそんな風に説明される事がわかってから、私はおばちゃんに道を尋ねたり場所を聞いたりした事がない。

私としても、なるべく穏やかに日々を過ごしたい。

 

ある時、おばちゃんが

 

「娘がさー、新しい店がオープンしたから行こうって言っても行きたがらないんだよね。休みの日も家でダラダラしてる事の方が多いしさー、もっとドンドン色んな所に行けばいいのに、ほんとあの子変わってるわー。アタシはドンドン色んな所に行ってみたいのに!」

 

と、娘について愚痴っていた事がある。

例の、母親に向かって「声がデカイ」と怒った娘さんである。

どうやら話を聞いていると、私はこの娘さんの方がウマが合いそうな気がしている。

きっと娘さんは思っている事だろう。

「お母さん変わってるし恥ずかしいから一緒に外出したくない」

と。

 

そんな数年前のある日、おばちゃんがおじさんと2人でやたら騒いでいる事があった。

近くの百貨店で『九州物産展』が催されていると、2人で大はしゃぎしていたのだ。

そこで出店している中に『佐世保バーガー』の店があって、どうやらおばちゃんもおじさんもその事で盛り上がっていた。

 

佐世保バーガー売ってるんだって!ね!ね!買いに行く?!ね!」

 

「あ~、一回食べてみないとなぁ。帰りに寄ってみようかな」

 

「帰りだったら売り切れてるかもしれないって!ね!コッソリ抜けて買いに行こうか!ね!ね!」

 

などと不穏な事を大声で話していて、周囲には丸聞こえだった。

 

おいおい・・・

すると突然矛先が私の方に向いた。

 

「ね!goru-goruさん!goru-goruさんも食べたいと思わない?佐世保バーガー
ね!」

 

と話しかけてくる。

頼むから巻き込まないで~と思いながらも一応話は合わせておく。

 

「あー、佐世保バーガー…。うん、一度は食べた方がいいかもね」

 

と、曖昧に答えておいた。

すると、さらにグイグイ突っ込んで来られてしまった。

 

「ね!そうだよね!goru-goruさんも食べたいでしょ?!食べた事ないんだったら食べておきたいよね!ね!」

 

と完全にこちらも巻き込まれそうになったので、

 

「あ、私前に食べた事あるからどうしても食べたいっていうわけでもないんだけ
どー…」

 

と答えた。

ところが、どうやらその答え方がおばちゃんのスイッチを押してしまったらしい。

 

「ええっ?!goru-goruさん食べた事あるの?!え?!なんで?!なんで食べた事あるの?!あー!佐世保!!佐世保!!佐世保に行って食べたんだ!!そうでしょ?!ね?!ね?!」

 

と大興奮でこちらに向かって叫んでいる。

いや、私佐世保には行った事ないんだけど…

なんかもう説明するのメンドくせーと思っていると、どんどん勝手に想像して叫び続けている。

 

「行ったんでしょ?!そうでしょ?!ね!ね!どんなの?!佐世保バーガー!!美味しい?!ね?!ね?!佐世保!!ね?!ね?!」

 

と迫ってくる。

そこまで迫られても困る。

以前勤めていた職場の近くに佐世保バーガーの店が出来て、会社帰りに同僚と行って食べただけなんだよ。

 

今や佐世保バーガーも全国的に知名度が上がって、各地に店があるんじゃないの?

つかもう何年も前からそうなってないか?

 

と考えつつ、

 

「いや、〇〇(以前の勤め先の地名)に店が出来てるからそこで食べた事があるだけ」

 

と、答えた。

 

すると途端におばちゃんが

 

「え~~~~~っ?!?!〇〇に店あるの?!え?佐世保バーガーだよ?!モスとかマックじゃなくて佐世保バーガーだよ?!ね!ね!ほんとに佐世保バーガーの店だったの?!ね!!」

 

と、さらに大声を張り上げて追及してくる。

ほとほとゲンナリしながら

 

「うん、そう。佐世保バーガーの店。あの当時佐世保バーガーが話題になってて、ちょっと後に店が出来たから会社の人たちと一緒に食べに行ったの」

 

と答えた。

 

するとおばちゃんは

 

「え~、〇〇にあるんだー・・・。なーんだ!じゃあわざわざ食べなくてもいいじゃん!!」

 

と怒鳴っていた。

 

はぁ~??何でよ?

いや、食べた事ないんだったら食べればいいんじゃね?

ワケがわからんわ。

 

「すごく美味しかったよ。食べた事ないんだったら食べた方がいいんじゃない?」

 

と言うと、おばちゃんは少々キレぎみに

 

「だって、〇〇にあるんでしょ?!そんなんだったら全然珍しくないじゃん!わざわざ食べる意味ない!!」

 

とか言ってて、もっと意味不明になってしまった。

この人は一体何を基準に食べたいだの食べたくないだの言ってるんだ?

 

要するに単なる新しい物好きで、何でも一番に経験しないと気がすまないんだろうけど、その割には情報が遅すぎやしませんかね?