高性能パラボラアンテナ付大音量拡声器の取り扱い
先日、ちょっと面白い(というのかなんというのか?)事があった。
以前のエントリー記事にもちょこっと登場したが、嘱託社員から契約社員になったおじさんがいる。
このおじさんがおばちゃんを叱ったのだ。
普段は温和で、誰とでもニコニコ接してるようなおじさんだったので少々驚いた。
何度も記事に登場しているので読んでいる方は既にご存知かと思うが、このおばちゃんは本当に困った人なのだ。
一言でいうと、典型的な噂好きの下品なおばさんである。
常に自分のパラボラアンテナを全方向に向けて情報収集し、それを自分の大音量拡声器でばんばんバラ撒くというとんでもなく迷惑な人である。
ところが、誰もこのおばちゃんのそういうところを注意する人はいない。
こういう種類の人には言っても無駄と思っているのもあるが、第一におばちゃんのダンナ氏に遠慮して言えないというのが大きい。
おばちゃんのダンナ氏は親会社のお偉いさんである。
なので、おばちゃんの機嫌を損ねて自分に何かがふりかかるかもしれないと思うと、おばちゃんの自由にさせるしかないという事になってしまっているらしい。
そして私は、一体何がそんなに楽しいのかと、毎度話し声が耳に入って来る度に思う。
やれ、どこどこ支社の誰々さんが家を建てただの、やれ親会社の◯◯部長のお父さんの仕事がどーの、やれ本社の◯◯課長の子供がどこどこの大学に落ちただの、◯◯専務の子供はどこどこ大学を出ているだの、一体そんな情報をどこから仕入れてくるのかも不思議だが、一番謎なのは「なんでそんな事知りたいの?」である。
それを知ったから一体どうだというのだろうか?
他人の事に興味がない私には全く理解できない。
本社の◯◯課長?誰それ?である。
ましてや親会社の社員の事などほとんど知らないが、おばちゃんの場合はダンナの関係もあって詳しいのかもしれない。
それにしても詳しすぎだろーとは思う。
その日もおばちゃんは、いつものごとく人の噂話を近くの席の社員と大声で話していた。
まーたデカイ声でしゃべってるよ、仕事中なのにほんと自由に振る舞える人はいいよな~と思いながら自分の仕事をしていた。
移転前はフロアが別だったので、普段のおばちゃんの話し声が仕事中に聞こえる事はなかった。
同じフロアになってからは本当にうるさいと思うようになった。
おばちゃんは親会社の誰かの事を大声で話していた。
「◯◯さんて~、すっごくお金持ちらしいよ。見た目もなんとなく成金っぽいじゃん?あの人、奥さんの実家がお金持ちなんだってー。そういえば、あの人婿養子なんだってね。すごくいい車に乗ってるし、奥さんのお父さんに買ってもらったんだよ、きっと。だってあの人くらいの給料じゃ絶対買えないよ。奥さんのお父さん、◯◯の病気だっていうしさー、もうすぐ遺産ガッポリ入るんじゃない?」
という、なんという下世話な内容なんだと思うような話をフロア中に聞こえるように話していたのだ。
付き合わされて聞いている社員も
「はぁ~、そうなんですか~・・・へぇ~」
と、バツが悪そうに答えに困っているではないか。やれやれ。
と思っていたら、突然、普段は温和なおじさんがおばちゃんに向かって
「おい、ちょっと、アンタ。そんな事面白がって大声で話すもんじゃないよ。アンタは頭に浮かんだ事をすぐにそのまま口に出す所があるから、そういう所は直した方がいいんじゃないか?人の事をそんな風に言ってやるんじゃないよ」
と、いつもとは違う強めの口調で諫めていた。
おばちゃんはバツが悪そうに「えへへ~」と苦笑いしていたが、本当にわかってるんだかどうかは怪しい。
実はこのおじさんも元々は親会社の管理職である。
早期定年退職で子会社に移ってきて、そのまま定年後に嘱託で働いていた人なので、親会社の人の事をよく知っているのだ。
おばちゃんが騒いでいた◯◯さんの事もよく知っている人らしかった。
それでムカついて注意したのだろう。
ちなみに、おばちゃんのダンナ氏の事も、同郷という事もあってよく知っているのだ。
なので、おばちゃんの事も昔から知っているという事になる。
おじさんも、移転前は別の部屋で一人で仕事をしていたのだが、移転後に同じフロアのしかもおばちゃんと同じ島のデスクで仕事をするようになって、おばちゃんの言動が目に余るようになったのかもしれない。
少し前に、事務用品のことでちょっと思うところがあるような発言をしていた。
今、基本的に事務用品はおばちゃんが管理、購入するようになっている。
それをいい事に、かどうかはわからないが、結構好き勝手に自分の欲しい物をドンドン購入しているところがある。
一番安い紙ファイルで済むような物でも、ピンクや柄付きのちょっと高い物を自分用に買っていたり、それは別にどうしても必要な物じゃないよね?と思うような物を買っていたり。
いつも経費節減云々とうるさい事を言っている割りに、おばちゃんが勝手に好きなものをを購入している事務用品にメスが入る事は一切ない。
だが、私の場合は必要な事務用品があれば、ロボット上司にお伺いをたてなければ購入できない。
それは前任上司のときからそうなのだが、必要なものでも平気で却下されたりして、結局仕事に支障をきたすので自分で買ってきて使っていたりする。
こうしておばちゃんの好き勝手な行動が他の人にしわ寄せされているのだ。
最近で一番ひどかったのは、スティックのりの購入を申請したときだった。
仕事上、のりを使用する事が多いので、一番大きいサイズを買いたい旨ロボットに伝えたら、事務用品置き場にのりが大量にあるからダメと却下された。
見てみると、一番小さいサイズのスティックのりがケース単位で購入されていた。
こんな小さいの1日で使い切っちゃうよ~と思ったが、在庫がなくならないと購入してはいけないと言われたので、しょうがなくそれを使おうとした。
すると横からおばちゃんに
「goru-goruさん、それ私が使うのに買ってあるのりだから、あんまりジャンジャン使わないでよね」
と言われたのだ。
はぁ~??
じゃあ、どれなら使っていいんだよ?
「ほんと頭くるわ~」と思ったのだが、こちらも仕事に支障をきたすので、気を取り直して
「じゃあ、今度ついでの時でいいから大きいサイズのも買っといてくれないかなぁ?」
と頼んでみた。
すると、
「え~、大きいの私使わないんだよね~。そっちで使うんだったら自分で注文すればいいじゃん」
と、ケチな事を言う。
オメーが勝手にケース買いなんかするからこっちで必要なものが買えなくなってんだよ!と内心怒りつつも抑えつつ、
「ロボットが、小さいのがあるからって買ってくれないんだよね。おばちゃんだったら上司に申請しなくても買えるし、一緒に注文してくれないかなぁ」
と再度頼んでみたが、ロボットに怒られたらイヤだからと結局頼んでくれなかった。
ある時は、おばちゃんが間違って注文して届いたファイルボックスが大量に積まれていたり。
間違ったんなら返品交換すればいいのだが、
「ええ~、手続きするの面倒くさいし、goru-goruさんの方で使ってよ」
と、絶対にこちらでは使わないサイズのものを押し付けられそうになったり。
結局、こっちでは絶対に使う事がないからと突っぱねたので、キャビネットの中で山積みになっている。
そんなこんなの経緯を、おじさんも横で見ていてよく知っているのだ。
「あんなに好き勝手に事務用品をドンドン買って、いつかしっぺ返しがくると思うけどなぁ」
と言っていた。
仕事で使う消耗品をなんで自腹で購入せにゃならんのだ、と思ったので、ロボットではなく高機能に了承をもらってロボットがいない時に購入し、事務用品置き場とは別の所に隠して使っている。
それから何日か後に事務用品置き場を覗くと、「テープのり」とかいう修正テープののりバージョンのような便利グッズが新たに購入されて大量に置かれていた。
ちまちまとのり付けしている私は一体何なんだろー?
こちらは必需品ののりまで却下されているのに、明らかに必需品ではないような「テープのり」を買っても何も言われないおばちゃんに、いつか本当にしっぺ返しがあるのだろうか?