人は見た目が9割 その2
以前、見た目が優しそうなのに言ってる内容がエグくてビックリした人の話をした。
実は、若手くんもこの部類に入る。
全体的に小柄でほっそりしていて、顔立ちはどちらかと言えばパッとしない地味~な印象なのだが、一番の特徴はというと、「泣きそうな顔」なのである。
普段から、ちょっとガミガミ言うとすぐに泣くんじゃないかと思うような、弱々しい悲しげな表情をしているのだ。
一見気が弱くて大人しそうで、年齢よりも幼く見える。
そんな表情で一人でポツンと居ようものなら、周りの人から
「おう、どうした?」
「疲れたか?」
「仕事慣れたか?」
などと心配されながら気を遣われて声を掛られていたのだ。
私も最初は親しい人が誰もいないし、仕事も実は全く一通りできないし、わからない事を聞ける人が近くにいないしでちょっと可哀想かもなぁ、と思っていたのだ。
まんまと騙されてたワケだけども。
で、周囲の人もまんまと見た目に騙されているので、さも私が若手くんを虐めているかのような印象に映っていたらしい。
まー、これにはビックリを通り越してすっかり呆れて言葉も出なかったんだけども。
私はといえば、周囲の人が受ける印象は「鬼ばばぁ」とか「元ヤン」とか「元暴走族」とかそんなのばっかなんだよ。
どうも、居るだけで迫力があって怖いらしいんだよね。
まったくそんな事はないのになぁ。
胡蝶蘭をせっせと育てている心優しいおばさんなのにねー。
というわけで、若手くんとは見た目の印象が真逆なせいで、周囲は勝手に
「goru-goruさんが若手くんにキツく当るから若手くんが可哀想」
みたいな捉え方をしているらしい。
なんでやねん!(`・ω・´)
仕事をムチャ振りされてるのはこっちだっつーに(・・;)
で、私だけが飲み会に誘われなかったり、私だけが怒られるような展開になったりしていたのも、そこらへんが関係しているみたいなのな。
まぁ飲み会は別に行けなくてもいいっちゃいいのだが、そういう誤解が誤解を呼んでいる状況はどうなのよ?
と思っていたら、捨てる神あれば拾う神ありで、若手くんの見た目に騙される事なく正しく状況を判断している人もいた。
年度末に私が1人で残って黙々と仕事をしていたら
「goru-goruさん、結局高機能さんが居なくなっても忙しさ全然変わりませんね~。若手にもっとやらせたらいいんじゃないっすか?」
などと心配してくれる社員もいたりして。
「いや~、私としては是非お願いしたいんだけどさー、ロボットさんに”若手には別の事やってもらうから、それはgoru-goruさんがやってください”ってサラーッと言われちゃってねー。私も一応抵抗してはみたんだけどねぇ」
と言うと、
「でもアイツ、普段何やってるのかよく知りませんけど、ほんと動かないじゃないっすか~。goru-goruさん残ってる時でも定時でサッサと帰ってるし」
と、見てる人はちゃんと見てるんだなぁと思うような事を言っていた。
「まぁねー、それに関しては私は何とも言えないかなぁ。ロボットさんがそれで良しとしてるからねー」
と、諦めの気持ちで答えておいた。
するとその社員は
「上がそういう態度だったらしょうがないんすかねぇ。でもオレ思いますけど、アイツ、ここではかなり出世すると思いますよ。仕事しないクセに上に取り入るのはメチャクチャ上手いらしいっていうのは見ててわかりますからねー」
と、はっきりと核心部分を突いていた。
はー、やっぱり見てるだけでもわかる人はちゃんとわかってるんだなぁとちょっと感心してしまった。
「大人しそうに見えるけど、後輩に対しては結構エラソーな言葉遣いでしゃべってるし、ある意味上下関係はちゃんと出来てるっていうか。なんか、話してても出世欲はすごいっすよ」
とも言っていた。
そうなのだ。
私も、若手くんがいろんなお偉いさんと親しくてビックリした事がある。
で、大人しそうな顔してる割りに後輩にはめちゃめちゃ上からの物言いでエラソーにしゃべっててこれまた驚いた。
まぁもっと驚いたのは、大人しそうな顔してめちゃくちゃ失礼な事をサラッと言ってたり、仕事を面倒がってやろうとしなかったり、自分がやりたくない事は平気で人に振ってたり。
これ、わざわざ面倒みてあげたりかばってあげたりする必要あるのかな。
今まで近くにいなかったタイプだからよくわからないんだよなぁ。
で、なんで今までこういうタイプが近くにいなかったのかちょっと考えてみて気付いた。
若手くんは明らかに総務経理の仕事には向いていない。
何をやるのも「面倒くさい」が口ぐせになっていて、ほとんどの細々した業務を自分でやろうとしないもんね。
総務経理の仕事って、面倒くさい事が仕事なんだけどなぁ。