一応決着がついた5年ルール
2月の終わりから3月いっぱいにかけてずっと風邪を引いていた。
治りかけたと思ったらまた別の人から移されたりで全然良くならなかった。
それに加えて、年度末の激務で毎日残業しまくりだった。
そりゃあ治るものも治らないよ。
休みの度に熱が出て、風邪の菌が目に周ったのか”ものもらい”みたいに瞼が腫れてドロドロの目ヤニが出て前が見えなくなったり。
病院に行く時間もなくて、結局市販の風邪薬や目薬を自分で購入していたので、どんどん出費がかさんでいった。
とにかく今年の年度末はいつにも増してハードで死ぬかと思った。
そんなこんなでずっと新たな記事をエントリー出来なかったのだが、やっとなんとか落ち着いてきたので、その後どうなったのかを書いてみる。
例の”5年ルール”である。
結局は、
あーあ。
やっぱりなぁ~。
薄々、そうなるんじゃないかと思ってたわ。
契約更新の面談時にいつもとは違う説明を受けて、ひたすら呆れて終わった。
今年の4月で雇用5年を迎える契約社員は、
・無期雇用
・有期雇用
のどちらかを選択できる事になった。
今まで面談時に
「5年経ったら辞めてもらう」
「年齢が年齢なんだから、早く次を探して移れ」
「業績が悪くなったら5年満期を待たずに契約更新しない」
などと、散々脅しのように言われていたのは一体なんだったのか?
いつだったか『ニュース女子』でも、やっとこの”5年ルール”と26業務の”3年ルール”について取り上げていた。
番組中では「”2018年問題”として話題になっている」とされていたが、この問題ってそんなにニュースになってたっけ?
法制化されたときは「5年経ったらクビ」と話題になっていたが、その後なんだかうやむやになって世間的にはそんなに騒がれてないのかと思っていた。
だが、番組では「失業者が一気に増える」と言っていたし、やっぱりこの春の問題になるのかもしれないなぁと思っていた。
で、無期雇用と有期雇用の違いはいったい何か。
無期雇用は、契約更新が無い。
契約社員という立場は変わらないが、定年までずっと勤める事ができる。
自分から辞めない限り、会社側から切られる事はない。
給与や賞与面では相変わらずのパートの時給だが、勤怠面が正社員に準ずる形になる。
特別休暇(忌引)などが適用されたり、病気などでの長期休暇が取れたり。
有期雇用は、短期の契約で半年なり1年なりの契約更新がある。
なので、ある時突然会社側の都合で「今回は更新しないから」などと言われたりする。
当然、給与はパートの時給制。
勤怠面は、社員に付与されるものがそのまま付与される事はない。
長期休暇も適用されない。
などなど、一応説明は受けたのだが…
正直、収入面で変わりがなければ「どっちでもいいんじゃね?」としか思わなかったんだよね。
というか、結局おばちゃんは即無期雇用の方を選んだらしくて、
”えー、おばちゃん辞めないの?”
と、そっちの方がショックだった。
春から心機一転、スッキリ爽やかに仕事が出来ると思ってたのに。
先にその話を聞いたもんだから、
「goru-goruさんはあと半年経たないと5年には満たないんだけど、どちらを選択するか先に決めておいて欲しいんです」
と言われて、「じゃあ無期で」とは即答できなかったんだよねー。
若手くんの事もあるしなぁ。
はっきり言って、若手くんとこれからも一緒にやっていくのはウンザリなのよな。
この先ジャンジャン仕事を振られ続けても、結局は収入変わらないわけだしな。
明らかにやってる仕事内容と分量に見合ってないような気がするし。
あー、悩む。
こんな環境、即バイバイしたい。
でも、先行きがわからないまま収入が途絶えるのは非常に困る。
などと色々考えながら
「えー、そうですかー、うーん、そうですねぇ…」
と、イマイチ煮え切らない態度でもぞもぞしていたら、ロボットが
「無期雇用でいいですよね?おばちゃんもそちらに移行するし、goru-goruさんと合わせて一緒に本社に申請出そうと思ってるんで」
などと、勝手に決めつけて言っている。
まぁ、これは事務処理を省きたいから二人同じ処理を同時にしたいという事なのだろう。
だが、おばちゃんと私では雇用の時期がズレてるんだって。
そもそも同時に申請出来ないじゃんかー。
「おばちゃんの方が半年早いから、もう4月から無期雇用になるんですよね?同時ってどういう事ですか?」
と訊いてみた。
すると、ロボットはしゃーしゃーと
「来年度は2人ともそのまま有期雇用で半年ごとに更新して、再来年度の頭から揃えて無期雇用に切り替えようと思ってるんで」
などとぬかす。
それってさー、結局は来年度はまだ有期雇用のままだから、来年中にいざとなったら切られる可能性もあるって事なんじゃね?
なんだそれ?
なんだかなぁ。
どうも会社側に都合良く進められているような気しないでもない。
聞いていてなんとなくイラついて、ついでに全部聞いてやれと思って一番疑問に思っていた事を質問した。
「前回の面談まではあれだけ散々5年までって念を押すように毎回言われてたのに、なんで5年を迎える時になって突然無期雇用の話に切り替わったんですか?」
するとロボットはなんとなく言いにくそうに
「いや、そういう話にはなってたんだけど、そうするとやっぱり各支社で支障をきたす事が分かってきてさー。会社内での色んな知識を持った人ばかりだから、急にいなくなるとどこの支社も困るんだよ。で、急遽法律に則った形での無期雇用に切り替える事になったんだよね」
とヌケヌケと説明した。
そんな事は最初から分かりきっていた話である。
おばちゃんはいざ知らず、実際現場で実務をこなしているのはほとんどが非正規の契約社員なのである。
そりゃあその人たちが全員いなくなったらどこの支社も回らないだろう。
そういう事も織り込み済で5年で切ろうとしているのかと思っていたのに、いざ蓋を開けてみたらもっとアホな対応をしていたのだった。
自分の雇用を守るために必死で非正規を切ろうとしていて、いざ切る段になってとてつもなく困る事が発覚し、あわてて無期雇用に切り替える事にしたらしいのだ。
その段階で”困る事が発覚”とか言ってる時点でもうアホ丸出しなんだけどな。
あまりのアホな返答に、私も思わず声が大きくなってしまった。
「そんな事最初からわかってたじゃないですか!あれだけ5年経ったら辞めてもらう、あと4年で辞めてもらう、みたいなプレッシャーを面談の度にかけられて、挙句にやっぱり無期って…ずっと辞めろ辞めろ言われてきてたから、こっちも求人広告見て探したりしてたんですよ。
年齢の事言われたり若い子入れるから早く辞めろって言われたり、散々な言われ方で、ほんとにこの5年間ずっと惑わされてましたよ!最初からちゃんとした対応してくれないと、こっちは宙ぶらりんでどうしたら良いのかわからなくなるじゃないですか!」
と、本当に思った事を言いたい放題に言ってしまった。
まぁ、本社が決める事なのでロボットに言ってもしょうがないのだが、私もカッとなってついついロボットに当たってしまった。
怒られるかと思ったが、ロボットはうんうん頷きながら黙って私の怒り演説を聴いていた。
「まぁ、こんな事ロボットさんに言ってもしょうがない事ですけど」
と言うと、ロボットが
「会社の方の対応がまずかったのは申し訳なかったです。でも一応、無期か有期か自分で選択できるようにはなったんで、そこは収めてもらってどちらか選んで欲しいんです」
と言った。
ゲンナリしながらもちょっと考えて、
「私、実際の期限まであと半年の猶予がありますよね?半年後に返事したら遅いんですか?」
と尋ねてみた。
するとロボットは
「いや、先に返事を聞くように本社からも言われてるんでねー」
と言う。
「あー…そうなんですか~…」
と、さらにゲンナリしながら考えていると、
「無期でいいですよね?条件はどう見ても無期の方が良いし、自分の意志で続けるか辞めるか決められる方が良いですよね?じゃ、無期って事で本社には報告しておきますので」
と、サッサと決められてしまった。
まぁ、取り敢えず喰いっぱぐれる事がなくなったのは良いとして、その対価がおばちゃんと若手くんってのはどうも割に合わないような…。
なんだか解せないとばかりに「はぁ…」と答えながら憮然としていると、ロボットが血も涙もなくサラ~ッと言い放った。
「1年間は有期雇用の半年更新なんで、その間は業績によっては更新しない場合もあるんでね。そこはお願いしますね」
…………(ー ー;)
これ、法的にはどうなんだろ。
なんか、もっそい質の悪い詐欺師に騙されてるような気がするのは私だけなんだろーか?