goru-goru綴り

日頃のもやもやを書き綴ります

“真摯さ”ってなんだろな

真摯さは習得できない。仕事についたときにもっていなければ、あとで身につけることはできない。真摯さはごまかしがきかない。一緒に働けば、その者が真摯であるかどうかは数週間でわかる。部下たちは、無能、無知、頼りなさ、無作法など、ほとんどのことは許す。しかし、真摯さの欠如だけは許さない。そして、そのような者を選ぶマネジメントを許さないドラッカー『現代の経営』[上]より)


前にも他のエントリー記事で紹介したかもしれないこの一文。

最近、しみじみと染み入る文章だったりする。

 

ドラッカーのマネジメントに出てくる一節だが、まったくその通りだな!と膝を打つ事が多々あるからだが…

最近特に多いのはなんでだろな(^_^;)

 

中でも読んで一番ギョッとするのは

 

「真摯さは習得できない。仕事についたときにもっていなければ、あとで身につけることはできない」

 

という、もうすっかりそもそもの素質に言及しちゃってるところである。

 

あーそう。

生まれつき持ってないと、いい歳こいてからではもう身につかないのかー。

 

生まれつきというか、やっぱり家庭での躾の問題っつーか、成長過程で育まれる性格っつーか。

まぁ、“真摯さ”をどう捉えるかによっても変わってくるかもしれない。

 

ドラッカー大先生は“integrity” という英単語を使っているらしい。

 

私は勝手に

 

「誠実、真面目、素直、潔さ」

 

という意味合いに捉えているが、実際はどうなのか。

 

なかでも「潔いかどうかで決まる」と私の中での思い込みがあって、いくら良い人でもこれが無いとバツだと思っている。

 

調べてみると、めちゃくちゃ詳しく解説されたサイトがあった。

 

《以下抜粋》

Integrity(名)(不可算名詞)

1.高潔,誠実,清廉
a person of integrity(高潔な人、人格者)

2.完全な状態、無傷

relics in their integrity(完全な姿の遺物)

語源:ラテン語「健全、完全」の意 INTEGER 参照

(『研究社 新英和中辞典』より)

 

上記
1番は、道徳的・倫理的な意味での完全さ、といったニュアンス。
2番は、より物理的な意味での完全さ、欠けていないという意味の完全さを意味している。

語源的には、2番の物理的な意味がより基本にあり、1番の道徳的・倫理的な意味はどちらかといえば派生したもののように思われる。
(なお、マネジメントの視点からいえば、経営部、マネージャー、各スタッフにおける、1番のintegrity(高潔さ、誠実さ)の退廃が、2番の組織としてのintegrity(完全性、結束、形態そのもの)の崩壊をもたらしていく、というのも、重要なポイントである, 注1)

integrity という語形は、integer(ラテン語で、「手に触れられていない」の意味) + ity (抽象名詞を作る語尾)であり、

integer を分解すると、
in- は、ラテン語において否定を表す意味があり、英語での un- に相当する。
teg- は、英語で touch に相当する意味を持ち、
er は、形容詞化する語尾

ということになる。

つまり、触れられていない状態、傷ついていない状態、欠けていない状態、といった原義を持つわけである。

(中略)

また先ほどの、integer は、英語の意味としては、名詞であり、「完全体」や、いわゆる「整数(-2,-1,0,1,2,3…)」を意味する。
このような概念である英語の、Integrityは、(倫理的な意味で使われる場合、)どちらかといえば「倫理的な完全さ」といったニュアンスであり、日本語の「高潔さ」「誠実さ」「真摯さ」と、意味合いとして共通する部分はあるが、根本的に少し違っているようである。

あえていえば、「触れられていない」というニュアンスが、高潔さの「潔い(きよい)」という概念と重なるかもしれない。

(中略)

また、もう少し倫理的な面で踏み込んだ定義をしているものとして、

ロングマン現代英語辞典(Longman Dictionary of Contemporary English)では、Integrity を以下のように定義している。

the quality of being honest and strong about what you believe to be right.

(自分が、正しいと思って(信じて)いる事柄について、正直であり、強くある状態のこと。)

 

上記の概念を簡単にまとめると、インテグリティは、自分自身、会社全体、社会全体に対して、隅々まで完全にきちんと向き合い、それらにとってベストであると思うことを、正直に推し進める、といった意味といえる。

(中略)

 

最後に、日本語に訳される際につかわれる、「高潔」「誠実」「真摯」の意味についても、一応確認しておこう。なお、品詞としては、どれも形容動詞であり、また「さ」をつけて名詞となる。

 

高潔:
利害損得を気にせず、りっぱな考えを持って、はっきりした行動をとるようす(三省堂国語辞典第五版)
人格が気高く、私利私欲に心を動かされないこと。(明鏡国語辞典
けだかくりっぱで、けがれのないこと。(岩波国語辞典第六版)
常にきびしい態度で自らを律し、他から尊敬される様子(新明解国語辞典
「高」=精神的な高さ。「潔」=きよい、いさぎよい。ワイロなど、泥臭い誘惑に影響されない、スジの通った精神的な「高み」と、道徳的な汚れを寄せ付けない「きよさ」を、主たる概念としている。これを単に、独善的な、道徳的潔癖症だと捉えると、その理念的/理想的な本質を見失う。ありのままに向き合う、かざらない精神の素直な正直さと、それゆえの自然な強さがベースにあって、成り立つ姿勢と言える。例:高潔な人格

 

誠実:
私利私欲をまじえず、真心をもって人や物事に対すること。(デジタル大辞泉
まごころがある様子。まじめ。(三省堂国語辞典
言動にうそ・偽りやごまかしが無く、常に自分の良心の命ずるままに行動する様子(新明解国語辞典
まじめで、うそをついたりしないこと。まごころをもって相手のことを考えながら行動すること(例解新国語辞典・三省堂
「誠」(まこと)なる心をもって、「実」=現実=リアルなものに直接的に向き合い、行動でそれを示す態度。誠なる心とは、やはり、ありのままに向き合う、かざらない精神の素直な正直さと、それゆえの自然な強さを伴った姿勢といえる。例:誠実な人

 

真摯:
まじめで熱心なこと。(デジタル大辞泉
まじめで、ひたむきなさま。(岩波国語辞典)
他事を顧みず、一生懸命やる様子。まじめ。(新明解国語辞典
心をこめて、ものごとにうちこむまじめさがある。(例解新国語辞典)
「真」(まこと)≒「誠」(まこと)。「摯」は、「しっかり手につかむ」という意味。誠実とかなり近い。が、「熱心さ」の概念が、「真摯」の方には、より入っているようである。なお、一般の新聞記事用語としては「真摯」は使われず、「誠実」に表記を変えられてしまうようである。例:真摯な人格、真摯な姿勢、真摯に取り組む

ところで、上記の「誠実」と「真摯」の定義の中で出ている、「まじめ」という概念には、やや独善的な道徳的善悪観への囚われが含意される場合がある。そして、まわり全体が見えておらず、融通がきかない偏狭さや、柔軟でない心の状態というものを含意する場合がある。そのニュアンスは、「高潔」「誠実」「真摯」のどれにも、伴いうる。

しかし、純粋に、理想的な状態を説明する場合においては、これらの単語が意味するところには、そういった偏狭さは含まれておらず、インテグリティが示しているように、まんべんなく、もれなくトータルに状況を冷静に把握した、透徹して無限に広がる理性をベースにしていると考えるべきである。

《抜粋終わり》

 

うーん。

“integrity”、“真摯さ”って難しい言葉だなぁ。

この一言の中にこれだけの意味が含まれてんのかー。

 

そしてさらに思う。

まさに、このタイプの人に限って出世出来てないのよ、今の会社では。

まったく嘆かわしい限りではないかー。

 

そして、なんでこの話題を取り上げたのかというと、常々気になっている若手くんの態度である。

 

まぁ若手くんは今のところまだマネジメントには関係ないペーペーなワケだが、いずれ関わる事になるだろう。

 

そして、私は

「こういうのが“真摯さ”が欠けた状態っていうんじゃね?」

と、日々思っているからだ。

 

私は非正規雇用である為、仕事上自己判断が出来ない立場にある。

故に、いくら若いとはいえ、若手くんの判断により仕事を進めなければならないのであるが、その若手くんの態度にはほとほと呆れる事が度々ある。

 

よく若手くんが私に仕事を振ってくるのだが、その仕事が「それは経理担当者が責任を持ってやらなければならない仕事だろー」と思われる類の物が多い。

 

一応やんわりと

「いやー、それは今まで高機能さんがやってた仕事だし、担当者がちゃんとやらないとダメなんじゃない?」

 

と言うと、平気な顔で

 

「それ、メンドクサイんっスよね~。ロボットさんに聞いたらgoru-goruさんにやってもらえって言ってたし、僕が持っててやり忘れたら困るんで、次からお願いしまーす」

 

とほざいてて、まー呆れた。

 

「goru-goruさんにやってもらえ」って普通に言っちゃってるロボットにも呆れたんだけどね。

 

発生する度にその都度振り込みをしなければならない件も、普通に

 

「月末の支払に入れるんで、取引先の登録お願いします」

 

と、持ってくる。

 

今後二度と振り込む事はないだろうと思われるような取引先をわざわざ登録させようとするので、

 

「こういうのは毎月の固定の振込に入れるんじゃなくて、その都度振込みしないといけないんじゃない?」

 

と言うと

 

「イチイチやるのメンドーなんで」

 

と、平然と言い放って、そのメンドーな仕事をこちらに振ってくる。

 

面倒臭い仕事をやりたがらず、しかも平気で人に振る。

その時のセリフが「自分でやるのメンドーなんでお願いします」ってなぁ( ̄▽ ̄;)

 

いつも、請求書の類は若手くんが届いたものをまとめて保管していて、処理する段に私に渡してくる。

 

その時、

 

「もうこれで全部?」

 

と確認の為に尋ねると、

 

「さぁ~。そうなんじゃないッスか?」

 

という返事。

 

なんだろなぁ、この責任感なさげな返事。

 

ある時、社員が寮で使用する備品を自分が立て替えて購入していた。

その金額を聞いてビビッた。

約15万円ほどだった。

しかも、まだそんなに高給取りでもない20代の社員だったのだ。

 

それはすぐに支払ってあげないと、その社員の負担がハンパねーだろ。

 

と、私は思ったのだが、若手くんは平然と

「じゃ、立替金で処理して来月振り込みますんでー」

とその社員に言い放っていた。

 

えええーーーー。

もし自分が立て替えさせられたら絶対に生活できないわー。

 

「すぐに払ってあげた方が良くない?」

 

とチラッと言うと、

 

「いや、そんな事でいちいち銀行行くのメンドーなんで。本人も立替で大丈夫って言ってるし、いいんじゃないんスか?」

 

出たよ。

 

「メンドーなんで」

 

なんか認識おかしくないか?

 

「そんな事で」とか…

 

二度手間三度手間になっている仕事を簡略化するっていうならまだしも、本来やらなければならない仕事を「メンドー」と言い放って人に振る…

 

そのメンドーな仕事がアンタの仕事なんだけど。

それがイヤなら辞めるしかないんじゃないの?っていうレベルだと思うんだよなぁ。

 

しかも、人にやってもらおうっていう時に「メンドーなんで」なんて言ながら渡すかね?

失礼なんじゃね?

 

私だってそんなメンドーな仕事やりたくねーわ。

 

もっとイヤなのは、それを横で見ているロボットが全く注意しないところだったりする。

 

この人たちに“真摯さ”のカケラも見いだせない私がおかしいのだろーか?