goru-goru綴り

日頃のもやもやを書き綴ります

ビニール袋大作戦

自分で勝手に大騒ぎしていた職場の胡蝶蘭

その後、なんとか無事終息した。

すっかり病気でダメになったものは処分して、他のものはしかるべき所へと渡って行き、残った2鉢を事務所内で育てる事になった。

2鉢というのは、一株ずつ植え替えた後の2鉢のことである。

てんやわんやした後、社員の中の一人が残りのほとんどを引き取ってくれる事になった。

親戚に蘭が趣味の人がいるらしく、もらってくれるかどうか尋ねてもらったら、快く引き取ってくれたのだ。

いや、本当に良かった。

そういう人の出現を待っていたのだ。

調べもせず適当にやって枯らしてしまう人に渡すよりも、断然安心だ。

で、最後まで残ってしまった2鉢を会社で育てているのだが、なんとか病気は回避できたものの、植え替えてしばらくしてから、なんとなく葉がペラペラしてきた。

さらに経つと、だんだん葉がシワシワになって薄っぺらくなり、下に垂れ下がってしまった。

明らかに様子がおかしい。

他のダメになった株が共通してやられていた、「カビのような黒いもの」が発生していなかったので、油断していた。

またあわててネットで調べた。

胡蝶蘭の専門サイトではなく、質問箱の掲示板で同じような質問をしているページを見つけた。

 

「Q.
胡蝶蘭の葉がシワシワしています。

どうすれば元気になりますか?


以前根腐れを起こしていた胡蝶蘭たちですが、腐ったブヨブヨの根っこは綺麗に切り落とし、新しい水苔に植え替えました。

この葉っぱのシワですが、根腐れを起こしていたときからずっとシワシワです。

シワシワなまま、ハリを取り戻しません。

根腐れを一度起こした経験から、水のあげすぎには注意しております。

水やりは水苔がカラッカラに乾いてからたっぷりとやっております。

屋内で育ててます(成長してるかは不明)。

レースカーテンごしに毎日陽にも当ててます。

窓もあけているので風通しも良いです。

カーテンに当たらない位置に胡蝶蘭は置いてます。

肥料はあげておりません。

何をしてあげれば元気になってくれるでしょうか。」


という、ほとんど私と同じ経緯を辿っている人からの質問だった。

違う箇所といえば、「根腐れを起こしたときからシワシワ」と「毎日陽に当てている」の部分くらいだ。

この質問に、数名の人が回答を書き込んでいたが、全員ほぼ同じような内容だった。

中でも一番詳しく書かれていた回答が、ものすごくわかりやすかった。

 

「A.

読ませて頂きました。
まず葉がシワっぽく薄く柔らかい事の理由は水不足です。

胡蝶蘭はカトレアやデンドロビュームの様にバルブと呼ばれる、水分や栄養を蓄える器官を持っていません。

この事はそれだけ恵まれた環境が原産の植物である事を意味しています。

胡蝶蘭の原産地は海抜1000mの高山に生える樹木の幹や枝に着生しています。

この地域は夕方に成ると麓から湿った暖かい空気が山頂をめざし吹き上がります。

すると山腹の冷たい冷気に触れる事で霧が発生します。こう云った毎夕方霧の発生する地域を「雲霧林帯」と呼ばれています。

こんな場所が胡蝶蘭の古里と云われます。

この事を前提に考えて頂くと良いのですが・・・

 (1)空中湿度 (夕方以降に霧が発生する為)
胡蝶蘭は日中=60% 夜間=80%以上の湿度を欲しがります。

 (2)温度 (高山の為、暑いと弱ります)
最低気温=15度以上 30度以下

 (3)日照 (樹木に着生していて木漏れ日ですから)
遮光率=50%程度 冬期は日本の緯度の関係で30%程度。30%はレースのカーテン越し程度です。
 
主な3つを上げてみました。

要は根腐れで植替えをしたけれど、葉を元気にするだけの元気な根が無いので葉が元気に成りません。

では根が無い場合はどうするか?

 (1)消費する水分を減らす。

空中湿度を高くする為、胡蝶蘭の周りにアナナス等、湿度を保持し易い観葉植物を置く、霧吹きをかける(頂葉に水を溜めない事)
特に夕方以降は必須です。また大きなビニール袋をスッポリ被せ、夜間だけでも加湿させる等の方法が有ります。

 (2)発根させる
メネデール」と云う発根促進剤を潅水時に与える。用法の倍位薄めを与えましょう。(濃いのは禁止)

 (3)潅水
乾くまででは無く、水苔が白っぽく乾いたら与えましょう。

硬くしぼったオシボリ程度の湿り気が、現在は必要です。

発根して、葉も元気になってから「乾いてから」に戻して下さい。

 (4)日照
明るい程度の明るさの方が良いかも知れません。

(これからはレースのカーテン越しは強いかも?)

まあ人間で云うとICU(集中治療室)みたいな感じで、1ヶ月程度様子を見て下さい。元気になっている事と思います。

2週間程度経過しても元気に成りかけない場合は、再度質問して頂く事をすすめます。

夜間の「ビニール袋をスッポリ被せ」は効果絶大ですよ。

以上、参考に成れば幸いです。」


う~ん。

なるほど。

胡蝶蘭は本当に奥が深い。

とか言っている場合ではない。

要するに、水不足で萎れてしまっているのだ。

私も質問者と同じで、根腐れが恐ろしくて、カラカラに乾いてから水をやっていた。

しかも、余計な水分はカビの元、とばかりに、霧吹きも全くやっていなかったのだ。

陽当たりについては、真夏に、日の当たる玄関のカウンターに置いていたものが一番傷んだので、陽に当てる方が怖くて、逆になるべく当てない様に室内にナイナイしていたのだ。

つまり、傷んだ根を全部取ってしまい、生きている根の数が減った為、十分に水を吸い上げる事が出来ず、どんどん葉の水分がなくなっているという事らしい。

しかも私の場合、本来元気の素である日光に全く当てていなかったため、余計にひ弱な葉になってしまったようなのだ。

早速、効果絶大と回答者が勧める「ビニール袋スッポリ被せ」をやって、帰宅した。

翌朝、出勤してビニール袋をはずしたのだが、

「本当に大丈夫かいな、これ?」

というくらいビッチョビチョになっていてびっくりした。

湿度80%だしな~、まぁビチョビチョで正しいのだろう。

と自分に言い聞かせてみる。

元気になり出すのは2週間後、完全に回復するのは1ヶ月後か・・・

「2、3日でシャッキリします」というカンジではないのだなぁ。

う~ん。。

なんとか頑張ってみます。

土日の間はどうしよう、また悩むなぁ。

胡蝶蘭は水分・養分を蓄える器官を持っていないとか、原産地の環境が「雲霧林帯」とか、夜の湿度は80%とか、遮光率50%とか、温度は15度以上30度以下とか、本当に勉強になった。

しかも、胡蝶蘭の専門サイトよりも、質問掲示板の方が自分が求める答えがあるという事がよくわかった。

専門のサイトは、どちらかというと、最初から健康体の蘭の日常の育て方が書かれていて、あまり緊急事態に対応していない。

たまに書かれているサイトを見つけても、内容が専門的すぎて、色んな農薬や道具を揃えないと出来ないような対処の仕方しか紹介されていない。

しかし、色々調べているうちによくよくわかったのだが、値段もさる事ながら、「そりゃ、なかなか手は出ない」と改めて納得。


他の回答者の書き込みにも、日に当てるときには屋外で遮光ネットを使うと書かれているし、色々と面倒すぎるよ、胡蝶蘭・・・

そして、この手間ひまゆえの、あの価格という事もよくわかったのだった。

なんだか急に、家で育てている風蘭が良い子に思えてきた。

 

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届いた時は、こんな感じの立派な3本仕立てだったんだよね。。