goru-goru綴り

日頃のもやもやを書き綴ります

もう一つの胡蝶蘭クライシス 続き

先日の記事にはまだまだ続きがある。

 

その後、胡蝶蘭を次々と持って帰って枯らしている例の男性が、

「ねぇねぇ、他の胡蝶蘭まだ植え替えないの?」

と話しかけてきた。

 

とある園芸サイトで

胡蝶蘭を枯らしてしまう原因の多くは、水やりと植え替え」

とあった。

「初心者はヘタに植え替えをせずに、もう1シーズンはそのまま水やりに気を付けて管理した方が良く育つ」

と書かれていた。

 

なので、植え替えはせず、そのままにしておこうと思っていた。

 

ところが、例の男性社員が何度も上記のように「まだか、まだか」と急かしてくる。

 

「植え替えずにそのまま育てようと思ってる」

と伝えると、

「じゃあ、そのまま持って帰るけど良いよね?」

と訊いてくる。

 

また懲りずに持って帰る気満々になっているのだ。

前に持って帰った分は、おそらく既に枯れてしまったのだろう。

 

本当に不思議でならないのだが、すぐに枯らしてしまうのに、なぜそんなに持って帰りたいのだろうか?

 

本人いわく、

「ちゃんと植え替えないとダメだから、持って帰って植え替える」

んだそうだ。

 

水苔もバークチップもわからなかったのに、何をほざいてるんだ。

 

「初心者が植え替えるとすぐに枯れるらしいですよ。ちゃんと植え替え出来るんですか?」

と尋ねた。

 

すると、「う〜ん、ちゃんと植え替えないとダメなのかなぁ〜」と抜かす。

 

「今、植え替えるから持って帰るんだって自分で言ったんじゃないですか」

と突っ込むと、

「うーん、エへへへへ〜」

と笑って誤魔化していた。

 

本当に訳がわからない。

一体何がしたいんだ。

 

他の誰かに譲るというなら、それはそれで良いのだが、そういう訳でもなさそうだ。

 

とにかく、突っ込んで訊くと口ごもってしまうので、結局どんな育て方をしているのかがよくわからない。

既に持って帰った分がどうなっているのかも、イマイチはっきりしない。

よくわからないので、すんなりどうぞと渡す気にはなれないのだ。

 

そうこうしているうちに、別の鉢が、また病気になりかかっていた。

 

植え替えたくないんだけどなぁと思いつつ、他の大丈夫そうな株を緊急避難させる為、植え替える事にした。

 

水苔と素焼き鉢を買って来て植え替えていると、例の男性社員がやって来て

「おっ、植え替えしてるんだね、ヘェ〜、そうやって植えるのかぁ。ほぉ〜」

などと言っている。

 

何を言ってるんだ。

本来ならオメェが自分でやってないといけないんだよ。

家でやっていないの丸出しじゃないか。

 

「持って帰ったらこうやって自分でやらないといけないんですよ。これ、やってみますか?」

と差し出すと、

「いやいや、いいよいいよ。出来上がり貰って帰るからさ」

と言ってやろうとしない。

しかも、植え替えたものを持って帰る気らしい。

 厚顔ぶりにビックリだわ。

しかも、自分でやってみたかったんじゃないのか。

本当に意味がわからない。

胡蝶蘭でおネェちゃんを釣ろうとでも思ってるんだろうか?

 

私もこの懲りない人が面倒になってきて、

「持って帰っても良いですけど、置き場所と水やり、ちゃんと気を付けて下さいね」

と念押しした。

 

すると、その男性社員がポツポツと話し出した。

「置き場所ってさあ、やっぱりベランダとかダメだよね?」

と訊いて来たのだ。

 

エェェェー、またそこから〜?

あー、ベランダに出しっ放しにしてて、陽射しにやられて枯れた事確定。

と思ったのだが、もう諦めている私は冷静に答えた。

「基本は室内でしょうね。もし今ベランダに出したままだったら、すぐに中に入れて下さい」

 

その男性社員は

「あ、出してない、出してない。そうだよね、部屋の中で良く日が当たる所でいいんだよね」

と、またホザいた。

 

「ひょっとして、直射日光に晒してるんですか?」

と、鬼に変身するのを抑えつつ訊いた。

 

雲行きが怪しくなりつつあるのを敏感に感じ取ってか、その男性社員は焦りながら答えた。

「あ、晒してない、晒してない。日陰じゃないとダメだよね。そうだよ、だって蘭ってさー、ジャングルなんかで、木陰で生えてるんだよねー。だから日に当たらない方が良いんだよ」

と、そういう中途半端な知識はあるのに、なんで1、2週間で枯らすんだよと、ますます怪しく思った。

おそらく、知人からの聞きかじりの知識なのだろう。

 

「そうですよ。直射日光で葉焼けして枯れちゃいますから。ある程度日に当てた方が育つんで、当てるときは室内で、レースのカーテン越しとか、半日陰とかが良いんじゃないですかね。真夏は当てたらダメでしょうね」

 

それに対して、

「そっかー、そうだよね。この前そう聞いたから、その後ちゃんと部屋の中に置いてるんだけどなぁ」

とボソボソ言っていた。

 

やっぱり、それまではベランダに放置だったんだな。

と思った所に、一番衝撃的なセリフが耳に入った。

「毎日水やってるのに、なんで枯れるんだろう?」

 

えっっ?!

今、なんて仰いました??

毎日水?

「ええっ?!毎日水やりしてるんですか?一番ダメですよ、そんなの。だから全部枯れるんですよ。枯れてるっていうか、根腐れですよそれ!」

と、ビックリして大声を張り上げてしまった。

 

あろう事か、胡蝶蘭を枯らしてしまう原因第1位の、水のやり過ぎだった。

週1〜10日に1回くらいですよ、と私は前に伝えた事がある。

まったく、人の言う事を無視して枯らしていたら世話がない。

 

当の男性社員は、「ああ、やっぱり怒られた」とばかりにシュンとしていた。

 

「前に水やりの回数は少なくして、乾いてから次にやるって説明しましたよね?

なんでその通りにしないんですか?」

と問い詰めた。

 

「普通は毎日水やるもんだと思うからさ〜。goru-goruさんはそう言ってたけど、それだと少なくて枯れちゃうんじゃないかと思って・・・」

 

そう言えば思い出した。

お盆休みの数日前に水やりをして、休み明けに次の水やりをすれば、10日後だから丁度良いと思っていたのだ。

 

ところが、休みが明けて水やりをしようとしたら、受け皿に水が溜まっていて、水苔がジットリ湿っていた。

 

10日経つのに、全然乾いていない。

なんで?

という事があったのだ。

案の定、その事を問い詰めたら、この男性社員が休日出勤していて、乾いているからと水やりしたらしいのだ。

 

世間一般で胡蝶蘭を育てる事が難しいとされるのは、ココなんだろうと納得した。

 

一般的に、植物に「お水をあげないと枯れる」という認識が広まっている以上、胡蝶蘭を気軽に育てる事は難しいのだろう。

 

説明によれば、室内に置いて、月に2、3回チョロっと水やりすれば良いだけなのに、なぜか枯れてしまう胡蝶蘭

 

勝手な思い込みで、人の忠告も聞かずに自己流で失敗。

 

あることわざを思い出した。

 

『聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥』

 

だから、どんな育て方をしてるのか訊いてるのに、頑なに白状しないからこんな事になるのだ。