朝、世にも珍しい試合を見た
早朝からもの凄い試合を見てしまった。
現在開催中のリオオリンピックで、日本が思った以上に頑張って、連日のメダルラッシュだ。
中でも、いつもついつい見てしまう柔道。
今回は全階級でメダルを取った事になる。
その最終試合。
男子100㎏超級の決勝戦、日本VSフランス。
はたして、これが柔道の試合なんだろうか?
私は柔道素人なので、細かいルールまではよくわからない。
わからないのだが、おかしな試合だった事はわかる。
とにかく、相手のフランス人が、全く組み合おうとしない。
日本の選手が技を掛けるべく、襟を掴もうとすると、すぐに手を払いのけ、とにかく組み合おうとしないのだ。
そして、自分が日本人選手の奥襟を掴んだら、相手をわざと振って、手を外し、相手が逃げたように見せかける。
審判は、日本人選手に指導を与える。
恐るべき演技力。
そして、なんだか怪しげな審判。
かと思えば技を掛ける振りをして、すぐにうずくまる。
いわゆる、かけ逃げというやつだと思うのだが、審判は一向に指導をとらない。
審判は、日本人のアラだけが浮き上がる、特殊フィルターでも目に貼り付けているのだろうか?
真っ向から、攻めの姿勢で組みに行った日本人選手がどんどん指導をとられ、相手のフランス人は逃げてばかりなのに、全く指導を受けないという不思議。
結局、日本人選手は全く技を披露出来ずに、指導のマイナス点だけで敗れてしまった。
見ていてこんなに気分の悪い試合も珍しい。
しかも、これがオリンピックの決勝戦である。
こんな有様で金が取れてしまう、世界の柔道は一体どうなっているんだろうか?
そして、そんな勝ち方をしても、全く恥じる事なく、無邪気に大喜びするフランス人選手とフランス人応援団。
「礼に始まり礼に終わる」基本のキなどは何処へやら。
そもそもそんな事は教えられていないのかもしれない。
柔道だけじゃない。
おそらく、世界の人のスタンダードがこれなのだ。
「汚い手を使ってでも勝ちは勝ち」
そして、それを当たり前として受け止める、世界の常識。
素直、純粋、正々堂々、清廉潔白を良しとする日本人が敵うわけがないではないか。
と、ムカムカしていたところ、さすがに世界的にも「はぁ?」という試合内容だったのか、会場の観客からはブーイングの嵐。
そして、卑怯な勝ち方である事を実は薄々気づいていたであろう、シュンとするフランス人応援団。
少しだけだが、溜飲が下がった。
こんな戦い方をするフランス人選手が、オリンピック2連覇の王者なのだとか。
王者の風格って一体何だ?
よくぞ喜べるもんだと、日本人の私は呆れるばかりである。
このフランス人、なんで柔道をやろうと思ったんだろうか。
自分の理念から一番離れた競技ではないか。
さすがに精神までは伝わらなかったのか、世界柔道と日本柔道は似て非なるものになっている。
青いカラー道着が登場してからこっち、審判の誤審疑惑など、どんどん柔道の精神から外れて行っているように思うのは私だけだろうか。
嘉納 治五郎はあの世でどう思っているのだろう。
そんな結果に終わっても、日本人選手は冷静に
「チャンスを生かす事が出来なかった自分の力不足だった」
と、謙虚にインタビューに答えていた。
きちんと組み合って、お互いに技を出し合う試合をしたかっただろう。
私はこの日本人選手が負けたとは全く思わない。
逆に、卑怯な相手に真っ向から向かって行った事を、素直に讃えたいと思う。
堂々と胸を張って帰国して欲しい。
いくら頑張って普及しようとも、日本の精神は異国の人々には理解出来ないのだ。
もう日本の武道をオリンピック種目にするのは勘弁して欲しいと、朝の早くからしみじみ思ってしまった。