goru-goru綴り

日頃のもやもやを書き綴ります

弔意って…

前回、家族葬について少し触れた。

最近は家族葬が本当に増えていて、職場に回ってくる訃報も
「家族葬につき、会葬、香典は辞退」
というパターンがほとんどである。
 
経済的な理由もあるだろうし、粗供養や香典返しなど、後々の手間を省くという意味もあるだろう。
家族だけで、静かに故人を送りたいという思いもあるだろう。
私はその点、まったく反対しない。
 
実は、私自身、親の葬儀を家族葬でこじんまりと行ったのだ。
参列者も親の兄弟が数名だけだったので、家族葬というカテゴリーがあって逆に助かった。
 
ところが、たまに、この様式を打ち破ろうとする人がいる。
 
私の職場にいる『おばちゃん』である。

私と同じ、ただのパートのおばちゃんであるにもかかわらず、職場の人の弔事には皆勤賞なのである。

もちろん、「家族葬につき、会葬、香典は辞退」という訃報が出ている。
だが、それにもメゲず、必ず行くのである。
 
おばちゃん曰く、
「辞退してるって言ったって、建前上、遠慮して言ってるだけなんだから、そういうときは礼儀として、本当は来て欲しいんだっていう相手の気持ちを察してあげて、必ず行くようにしないと」
だそうだ。
 
おばちゃんには「辞退」という文字が「歓迎」と読めるらしい。
なんという自分都合解釈。
 
家族だけのしんみりとした空気の中で、いたたまれなくないのだろうか?
周りを見渡して、「あれ?弔問客私だけ?」とはならないのだろうか?
ま、ならないから行くんだろうけど。
 
私はこのおばちゃんの発言、行動には全く賛成できない。
まず、身の程をわきまえていないと思うからだ。
 
半年ほど前に、社員の身内に不幸があり、たまたま土日で休みだった為、訃報が事後に流れた事があった。

休日中、管理職と当該社員の同じ部署の人にだけ連絡が回っただけで、他の人は葬儀後の休み明けに訃報を知ったのだ。
しかも、この時も「家族葬につき、会葬、香典は辞退」だった。
 
ところが、その時のおばちゃんの怒りたるや、凄まじかった。
「どうして私に何も連絡がなかったのか、納得できません!」
 
そして、総務部に怒鳴り込んで
「今回のような事があったら、土日でもなんでもかまいませんから必ず電話して下さい!」
と、携帯の番号のメモを総務課長に押し付けていた。
 
なんなんだろう。

いったい、どの立場で発言してるのだろうか。
ただのパートのおばちゃんなんだがなぁ。
 
後からその総務課長に
「goru-goruさんにも連絡した方が良いですか?」
と聞かれた。

同じパートのおばちゃんという分類から、私も同類と見做されてしまったらしい。
冗談ではないのだ。
私は丁重にお断りした。
 
私は礼儀をわきまえているからこそ、家族葬と聞いたらまず行かない。
押しかける方が失礼だと思うからだ。

それに、ただのパートのおばちゃんの立場で、でしゃばるのはおかしい。
 
一度、このおばちゃんとその件について話した事がある。
と言っても、上記の件でおばちゃんが怒り狂っていたときに、グチを聞かされていたからなのだが。

その時に
「本人が会葬を辞退しているのだから、押しかけたら余計に失礼かもしれませんよ」
と言ってみた。
 
するとおばちゃんは
「それは人それぞれの考え方の違い。
失礼だと思う人は行かなければいいと思うけど、私は全然失礼だと思わない。行かない方が失礼。うちの実家の方だと、そういうのは必ず行くことになってるし、私自身も行きたい」
と、世間一般の礼儀作法マナーなどどこ吹く風で、持論を展開。
他人の意見は聴く耳持たず。
 
上記の件に関して、おばちゃんは、その当該社員の奥方と個人的に知り合いだった事もあって、絶対に参列したかったのだそうだ。

と、ちょっと待て。
じゃあ何で、その奥方から連絡がなかったのさ?
とか色々突っ込みどころ満載だったりするわけだが…
 
地域性というのもあるのかもしれない。
でも、あなたの故郷ではそうだったのかもしれないけど、現在の居場所では違うのだという所は踏まえて考えるべきではないだろうか。
 
因みに、某質問掲示板で似たような事を書いた例がないか探してみたら、あったw
 
「Q.職場の同僚の親御さんが亡くなり、家族葬なので会葬等を辞退しているのに、上司が弔問に押し掛けた。失礼には当たらないのか?」
 
という質問だった。
 
「A.押し掛け弔問は失礼です。知らずに行ってしまったならまだしも、辞退と知っていながら押し掛けるのは、言語道断です」
 
そら、そうでしょうとも。

しかし、『押し掛け弔問』なんていう言い方があるんだねー。
それだけ、おばちゃんのような人が多いという事なのだろうか。
 
結論
やっぱりこのおばちゃんが、失礼を顧みないただの参加好きって事が、よくわかった。